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最難関校の定期テストは「範囲は標準、問い方は発展」:中1から記述・論述が出る世界

執筆者の写真: ユウキ 先生
ユウキ 先生
1 日前
読了時間: 6分

「『直線』とは何か。言葉で説明しなさい。」

これは、四谷大塚偏差値60台後半の男子校で、中1の1学期中間テストに出た数学の問題です。配点は記述で10点。同じテストで、作図問題が30点ありました。

中学受験の算数では、答えの数字が合っていれば丸でした。でも最難関校の中1の最初のテストでは、すでに「言葉で説明できるか」「正確に書けるか」が問われます。今回は、最難関・難関校の定期テストに共通する「範囲は標準、問い方は発展」という特徴について書きます。



数学:「定義を書く」「作図線を残す」「全部書き出す」

先ほどの男子校の中1中間は、数学が「図形」と「計算」の2本立てでした。

図形では、直線や作図の定義を言葉で書く問題、作図(作図線は消さずに残す)、扇形や216°回転させた図形が通る部分の面積など。計算では、多重かっこの文字式、立方数、絶対値がある範囲に入る整数をすべて書き出す問題など。どれも単元としては中1の標準的な範囲ですが、算数の感覚だけで解こうとすると、記述や「全部書き出す」で点を落とします。

偏差値60台前半の難関男子校の中2・1学期中間では、代数が50分で40問、1問あたり約75秒。内容は平方根と2次方程式で、高校の数Ⅰに入っている範囲です。幾何はメネラウス・チェバ・空間の比・座標。答案には「判読できない文字は減点」とありました。

偏差値60前後の難関女子校の中2では、置き換えを使って展開する4次式、座標平面で面積を二等分する直線、相似の証明(証明だけで8点)が出ていました。関数の理由説明は「説明不十分」で減点されます。

僕は面談でよく「数学は言語化とルール処理」だと話しています。算数は感覚で解けても、数学は全部を言葉にしていく教科です。証明は国語の言語だ、と言ってもいいくらいです。



英語:「例文と同じ英文が正解」

同じ60台後半の男子校の中1中間では、英語の最大配点45点が和文英訳でした。採点の基準は「原則として、教科書のKey Pointの例文と同じ英文を正解とする」。つまり、例文をそのまま一字一句書けるかどうかが勝負です。そのほかに、リスニング、単語17問、書き換え、1語補充つきの並べ替え、長文がありました。

難関女子校の中2になると、長文20点と英作文18点の配点が大きく、和文英訳が6問。発音記号から綴りを書かせる問題もありました。難関男子校の中2では、リスニング11問に加えて、自由英作文や社会的なテーマの長文が出ています。

「意味が通じればいい」では点にならない。大文字、ピリオド、スペル、冠詞まで含めて、正確に書けることが求められます。



理社:知識より「思考・判断」の配点が大きい

難関女子校の中2前期中間(全9科目、平均点つき)の平均点を並べるとこうなります。

科目

平均点

英語

76.6

代数

58.4

幾何

約58

国語(読解)

86.2

理科(物理)

43.8/50点満点

地理

80.5

歴史

44.1

理科は知識・技能が17点、思考・判断が33点という配点で、圧力の計算は途中式が必須、答えだけだと1点でした。歴史(鎌倉・室町)は年代の並べ替え、史料の読み取り、「正しいものを2つ選べ」で、学年平均が44.1点まで下がっています。

同じ学校でも、取りやすい科目と落としやすい科目の差がとても大きい。総合順位は、落としやすい科目でどこまで踏みとどまれるかで決まります。

60台後半の男子校の中1社会は、地理と歴史の融合問題でした。エラトステネスの地球一周の計算、昔の世界地図の作図、地図の図法についての論述。新書を1冊読んで200字×10枚のレポートを書かせる最難関校もあります。



なぜ「問い方」が発展的なのか

私立の一貫校の定期テストは、大学受験から逆算して作られていることが多いです。今の大学入試、特に共通テストは、知識を思い出すだけで解ける問題がごく一部で、初めて見る資料や設定で考えさせる問題が増えています。最難関校は、中1のうちからその力を育てようとしているのだと思います。

ある最難関校では、数学で「なぜそうなるのか」の説明・記述を延々とさせる。別の学校では、先生が最新の大学入試から持ってきた問題を扱う。学校によって形は違っても、「知っている」ではなく「説明できる」を求めるところは共通しています。

ここで誤解してほしくないのは、範囲そのものは標準だということです。教科書と授業で扱った内容から出ます。突拍子もない難問ばかり出るわけではなく、授業で扱ったことを「自分の言葉で正確に書けるか」が問われているんです。



中1から身につけたい「正確に書く」習慣

では、家で何をすればいいか。僕がすすめているのは、全科目で「正確に書けるか」を基準にすることです。

数学なら、教科書の定義や定理を、見ないで言葉で書けるか試す。証明は「三角形ABDと三角形CBDにおいて」と最初に注目する図形を宣言し、「仮定より」「錯角は等しいから」と、式の前に理由を書く練習をする。結論を根拠に使ってしまう循環論法になっていないかも確認します。

英語なら、教科書の例文を日本語から英語に、見ないで書けるまで繰り返す。書いたら、大文字・ピリオド・スペルを1つずつ自分で採点する。

理社なら、教科書の太字の言葉を、自分の言葉で説明できるか口に出してみる。歴史の年代整序は、出来事を「なぜその順番になるのか」という流れで説明できれば強くなります。

国語も同じです。最難関・難関校では「30字で抜き出しなさい」「80字で説明しなさい」といった字数指定の記述が定番です。教科書の本文について、「この場面の気持ちを40字で」と自分で問題を作って書いてみると、字数の感覚が身につきます。

それから、時間を測ること。50分で40問のような処理量の学校では、正確さとスピードの両方が必要です。テスト前日に「計算を10分で何問解けるか」を測る、というのも一つの方法です。



ブリッジスターでは「書いたもの」を見て直します

ブリッジスターでは、日報に解いたノートや答案の写真を付けてもらいます。最難関・難関校の生徒の場合、コーチが見るのは答えが合っているかより、証明の書き方、途中式、英作文のスペルや冠詞です。手元が見えないオンラインでも、写真があれば、減点される前に先回りして直せます。

テスト後は、間違いを「ケアレスミス」「ルールがあやふや」「知識不足」などに仕分けて、なぜ間違えたかを書く振り返りシートを使います。反省文ではなく研究レポートとして、自分の答案を分析する。この練習が、そのまま「説明させるテスト」への対策になります。

難しく見える最難関校のテストも、正体は「授業でやったことを正確に書く」こと。中1のうちにこの習慣がつけば、その後の6年間がずっと楽になります。



中高一貫ブリッジスターは、私立中高一貫生のためのオンライン塾です。学校ごとの進度と定期テストの範囲に合わせた学習計画づくり、毎日の学習日報へのフィードバック、コーチとの面談、オンラインの集団勉強会や自習室で、部活や通学で忙しい毎日の中でも、家での勉強がきちんと回る状態をつくります。

「学校の進度が速くてついていけているか不安」「定期テストの前に何から手をつければいいか分からない」——そんなときは、まずLINEからお気軽にご相談ください。お子さんの学校の進度や今の成績をうかがい、いまやるべきことを一緒に整理します。



※本記事の事例は、複数のご相談内容をもとに、個人や学校が特定されないよう再構成しています。

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