スマホ・ゲーム・学校タブレットとの付き合い方:制限の抜け道と現実的なルール

スクリーンタイムで1日2時間に制限をかけた。ところが、いつの間にか制限が効いていない。調べてみると、スマホの時刻設定を海外の時間に変えていた——。
中学生同士の間では、こうした「抜け道」があっという間に共有されます。ブラウザからSNSを開く。友達から教わった裏技でロックを外す。昔使っていたキッズタブレットを引っぱり出して、段ボールにすり替えて隠しておく。学校から配られたタブレットで、夜中に電子書籍の漫画を読みふける。
面談で保護者の方から聞く話は、どれも本当に巧妙です。制限をかけては破られ、また制限をかける。いたちごっこに疲れてしまった、という声も少なくありません。
この記事では、そんなスマホ・ゲーム・タブレットとどう付き合えばいいのか、僕が面談でお伝えしていることを書きます。
制限は「完璧」を目指さない
最初にお伝えしたいのは、制限で完全に防ぐのは難しい、ということです。
スクリーンタイムやアプリの制限は、かけないよりはかけたほうがいい。制限がまったくない子は、SNSや動画ばかりで勉強しない、というのが僕の実感です。まだ何も設定していないご家庭には、時間制限・閲覧制限・アプリのダウンロード制限を、まずかけてくださいとお伝えしています。
ただ、制限をかけた時点で安心しないでください。中学生は大人が思っている以上に、抜け道を見つけるのが得意です。時間制限は1日2〜3時間くらいに設定している家庭が多いですが、それでも抜けられてしまうことは前提にしておいたほうがいい。
制限の目的は「物理的に止めること」ではなく、「家庭のルールをはっきりさせること」だと考えると、少し気が楽になります。
いちばん効くのは「夜は預かる」
いろいろなご家庭の話を聞いてきて、いちばん確実だと感じるのは、夜の時間だけは物理的に手元から離すことです。
夜10時以降はリビングで親が預かる
寝るときは鍵付きの箱に入れる
充電はリビングでしかしない
昼間の使用時間を細かく管理するより、夜だけは使わせない。このほうが、親子ともに続けやすいルールになります。夜中にスマホを触る習慣は、寝る時間を遅らせ、翌日の授業に直接ひびきます。学校によっては、配布しているiPadを22時にロックする設定にしているところもあります。
注意したいのは、スマホをリビングに置くルールにしていても、食事中やお風呂の時間まで肌身離さず持ち歩いているケースです。「置く場所」だけでなく、「手から離す時間」を決めておくことが大切です。
テスト前は「本人が決めて預ける」
テスト前の期間は、もう一段強いルールが必要になることもあります。
ここでおすすめしたいのは、親が取り上げるのではなく、本人が自分から預けることです。
ある中2の生徒は、面談の中で「タイマーで10分経っても、ゲームをやめられない」「親に制限されないとやってしまう」と話していました。そこで、なぜ休憩が延びてしまうのかを自分の言葉で説明してもらいました。返ってきたのは「欲求に負けて、自分が楽しいことを優先してしまう」という答えでした。
自分でそこまで言葉にできると、次の一歩は本人から出てきます。この生徒は「テスト1週間前は、家にいるあいだスマホを親に預ける」と自分で決めました。学校には持って行くけれど、家では預ける。親に取り上げられたのではなく、自分で決めたルールなので、守れる確率がずっと高くなります。
「なぜハマるのか」を知ると、距離がとれる
スマホゲームについて、僕が生徒によく話す内容があります。
無料のゲームは、どうやってお金を稼いでいるのか。広告を見せ、遊んでいる人のデータを集め、課金したくなるようなキャンペーンを、人によって出し方まで変えている。つまり、遊んでいる側は、時間とお金を使い続けるように設計された仕組みの中にいる。
この話をすると、「スマホゲームをやめる」と言い出す生徒が何人もいました。禁止されたからやめるのではなく、仕組みを知って自分で距離をとる。これがいちばん長続きします。
ゲームを完全に否定する必要もありません。ある生徒は、夏の自由研究のテーマをスマホゲームにして、「なぜ人はゲームにハマるのか」を、行動心理学やマーケティングの視点で調べました。遊ぶときは研究メモを取ることが条件です。好きなものを、学びの入口に変えることもできるのです。
学校タブレットとAIとの付き合い方
最近は、学校から1人1台のタブレットが配られている学校も多くなりました。授業や課題の提出に使うので、取り上げるわけにもいきません。ただ、学校のタブレットで漫画や動画を見て夜更かししている、という相談も増えています。
タブレットも、スマホと同じく「夜は預かる」が基本です。勉強に使うサイトだけを使いたい場合は、ブラウザのアクセス制限で、特定のURLだけを許可する設定もできます。
生成AIについても、ひとこと触れておきます。これからの時代、AIを使いこなす力は必要です。ただ、中学生のうちに、答えのある問題集の答えをAIに聞くのはおすすめしません。考える前に答えを聞いてしまうと、学力はかえって落ちていきます。使うなら、答えのない問いを一緒に考える壁打ち相手として。課金の上限がないツールを子どもに持たせるのも危険です。
ゴールは「自分でコントロールできること」
最後に、少し長い目で見た話をします。
学校タブレットの制限まで友達から抜け道を教わってくる、という中3の保護者の方から相談を受けたとき、僕はこうお話ししました。細かい時間管理に、そこまでこだわらなくてもいい。抜けられるなら、それはもう気にしない。そのかわり、勉強をしなかったら契約を全部解約する。守るべき線だけをはっきりさせておく、という考え方です。
昔、テレビを見すぎて親に叱られた経験がある方も多いと思います。スマホも同じで、最終的には、自分で自分をコントロールできるようになることがゴールです。そして、スマホに時間を取られてしまうのは、ほかに夢中になれることがないからでもあります。部活でも、読書でも、何か一つ打ち込めるものがあると、スマホとの距離は自然にとれるようになります。
ブリッジスターでは
学習日報の「ひとこと」欄に、「スマホ」「ゲーム」と自分から書く生徒はほとんどいません。だからこそ、コーチとの面談では生活の流れを一つずつ聞き、どこで時間が消えているのかを一緒に探します。テスト前にスマホを預けるかどうかも、コーチが決めるのではなく、本人が決められるように問いかけます。
月曜と水曜の夜の集団勉強会では、カメラをオンにして手元を映します。一人だとついスマホに手が伸びてしまう子も、画面の向こうに仲間がいると、意外なほど集中できます。「見られている感じ」が、スマホから距離をとるいちばんの助けになっているようです。
中高一貫ブリッジスターは、私立中高一貫生のためのオンライン塾です。学校ごとの進度と定期テストの範囲に合わせた学習計画づくり、毎日の学習日報へのフィードバック、コーチとの面談、オンラインの集団勉強会や自習室で、部活や通学で忙しい毎日の中でも、家での勉強がきちんと回る状態をつくります。
「学校の進度が速くてついていけているか不安」「定期テストの前に何から手をつければいいか分からない」——そんなときは、まずLINEからお気軽にご相談ください。お子さんの学校の進度や今の成績をうかがい、いまやるべきことを一緒に整理します。
※本記事の事例は、複数のご相談内容をもとに、個人や学校が特定されないよう再構成しています。







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